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悪徳「設計コンサル」問題 つづき

事の発端は(一社)マンションリフォーム技術協会(以下、martaと略)会報の協会個人会員一同による「不適切コンサルタント問題への提言」とされています。要約すると、

・業界は「不適切コンサルタント」の横行で混乱。
・新規参入者の中には、技術的に全くの素人も。
・似非コンサルはバックマージンを取ることに腐心。
・彼らは格安コンサル料で受注し、蔓延っている。
・特定は難しいが、コンサル全体の信用失墜に。
・放置すれば、業界は取り返しのつかないダメージ。

など、刺激的な表現が並んでいます。この提言を端緒に国交省も相談窓口設置し、今回の調査に至ったものの「不適切コンサルタント」悪徳「設計コンサル」と過激に敷衍され、martaが懸念したコンサル業界そのものが悪徳と喧伝される状況に陥っているのです。

彼らが俎上に載せた「不適切コンサルタント」の実態、具体的手口、バックマージン受け渡しの証拠など、提言では言及されておらず、その姿は全く見えないのです。

このmarta、マンション改修を行う関東の設計事務所団体。Webで確認したところ、個人会員25名。真摯にマンション管理組合業務に携わっている方々で、その仕事内容や啓蒙活動は素晴らしいものですが…

穿った見方をすると、新規参入者排除、既得権益確保キャンペーンのつもりが、設計コンサル=悪徳のネガティブキャンペーンに転じて、自らを貶める結果に。

前回述べたように、マンション大規模修繕に「設計コンサル」が携わるケースは全体の一割に満たず、約80%は管理会社の掌握下にあるのです。今回の騒動。小さなパイを同業の新規参入者に略奪されないための対抗策だったのでしょうが、糾弾すべき本山を間違っているのでは?という気がしてならないのです。

本文とイメージは関係ありません

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